V2H・トライブリッドとは?

皆さま、こんにちは。

ネミースマートミライブログをお読みいただきまして、ありがとうございます。

今回は、「V2H・トライブリッドとは?」と題してお送りします。

V2Hとは?

「V2H」という言葉を知っている方はそう多くはないでしょう。「Vehicle to Home」、つまり、「車(Vehicle)から(to)家(Home)へ」という意味になります。ここでの「車(Vehicle)」は電気自動車(EV=Electric Vehicle)のことを指します。電気自動車に貯めた電気を家で活用する考えかたのことをV2Hといいます。

電気自動車を蓄電池の用途で使います。

EV(電気自動車)の充電は「茶でも」?

「茶でも」というフレーズ、何の関係もなさそうに思えますが、実はEVの充電方法やコネクターの規格でCHAdeMO(チャデモ)というものがあるのです。これには、「Charge de Move(動くための充電)」「de=電気」「車への充電中はお茶でも飲んでお待ちください」といった意味合いが込められているのです。

そんなV2Hと関係が深いEVへの充電方法の変遷、ざっとご説明します。

最もイメージしやすく、かつ一般的だったものは、ご家庭にある通常のコンセント(100Vあるいは200V)につないで充電する方法でした。

その後、家庭用の充電スタンドが登場します。宅内から配線を引っ張り、敷地内にスタンドを立てて、駐車している電気自動車につなぎ充電するものです。この充電スタンドは、宅内の電源から電気自動車へ充電するのみならず、電気自動車自体に貯めた電力を逆に宅内で使う電源としても使用(給電機能)できようになりました。

さらに昨今の技術の革新により、昼に太陽光発電で生み出した電力を貯めておき、夜に電気自動車へ充電できるという蓄電池のような機能を搭載した製品も生まれています。仮に全部を太陽光発電で貯めた電力でカバーすることができれば、電気代の節約に大いに貢献します。

太陽光発電の普及、そして蓄電池や重電技術の向上などにより、従来の「充電スタンド」にとどまらないV2Hの機器が出てきています。

ところで、住居から電気自動車への充電と、その逆である電気自動車から住居への給電を行うことができるV2H機器は、そのバリエーションは複数あります。例えば、太陽光発電システムの設置の有無、また充電した電力の使い道などによります。そのタイプの違いをご説明します。

まずは「非系統連系」というタイプがあります。これは、以下のケースに使います。

・太陽光発電を未設置
・太陽光発電を設置済だが、「売電」にのみ利用

ただし、電気自動車から給電をしているときは電力会社からの電気を利用することができません。電気自動車からの電源か、電力会社からの電源かのどちらかということになります。

注意点として、電気自動車から給電されている電気を上回る量の電気を宅内で使用してしまうと、電気自動車からの給電は停止します。そのときは、電力会社からの給電に切り替わるのですが、その際に一瞬だけ停電が発生します(数マイクロ秒から数百マイクロ秒という短い時間です)。

もう1つ、「系統連系」というタイプがあります。これは以下のケースに使えます。

太陽光発電を既に設置済で、なおかつ発電した電気を自家消費しているご家庭。

こちらのタイプは、太陽光発電システムで発電した電力、電気自動車から給電した電力、そして電力会社からの電力を同時に使うことができるタイプとなっています。

V2H機器の5つのメリット

それでは、V2Hの機器を使うことで得られるメリットをご紹介します。

1つ目は、家庭用のコンセント(100V/200V)に対して、充電時間がとても短いことが挙げられます。V2H機器を使った場合、充電時間は家庭用(200V)コンセントのなんと半分です。電気自動車に乗りたいときにきっちり充電されていて欲しいというニーズにこたえるものになっています。


2つ目。ご家庭で使用する電気料金の節約になります。電気料金は深夜に安くなりますが、昼に電気自動車を使う場合は、それだけ安く充電できることで節約に貢献します。さらに、日中電気自動車を使わないときは、電気自動車に貯めた電気を家庭用電源として使用することができます。


3つ目。災害発生時に停電した際などにバックアップ用電源として使えること。特に、夜間に停電が発生した場合は、電力会社からの電気も止まり、太陽光による発電も不可能です。しかし、そんな際も、電気自動車に貯めた電力を蓄電池代わりに使うことができるのです。


4つ目は、その電気容量の大きさです。一般的な蓄電池に比べて、電気自動車の電気容量は大きいのです。より長時間の使用が可能になります。

一般的な家庭用蓄電池の電気容量は4~12kWh、電気自動車は10~40kWhです。


5つ目は、補助金制度でカバーされていること(自治体によります)。電気自動車などのいわゆる「エコカー」には、自治体により補助金制度があることが多いです。また、電気自動車のみならず、V2Hの機器にも補助金が交付される自治体もあります。

V2Hを賢く使いましょう!V2Hを活用し、電気自動車を自動車のみとして使うだけでなく、蓄電池としても使うことで、よりQOLを上げることができます。

トライブリッドとは?

上記まででも「電気自動車」「太陽光発電」「蓄電池」という3つのキーワードが出てきていますが、この「トライブリッド」はその3つをもっと有機的に組み合わせて快適に使おうというシステムです。ここでは、トライブリッド蓄電システム導入のメリットをご紹介いたします。

トライブリッド蓄電システムとは?
ニチコン株式会社 が2018年に発表した太陽電池、家庭用蓄電池、電気自動車内臓蓄電池の3つの電池をご家庭の生活リズムや電気の使用状況に合わせて連携したシステム。

メリットの1つ目は、昼間の太陽光発電で生み出した電気を蓄電池に充電し、夜間でもEV(電気自動車)への充電が容易になるという点です。トライブリッドを活用していないシステムは、電気自動車の電気は、家庭用電源からとるか、太陽光発電で生まれる電気を利用することがほとんどです。しかし、家庭用電源から充電するときには、電気代がかかります。太陽光発電システムによる電気を使えば、電気代はかかりませんが、夜間や日光が十分に照っていないときには十分に充電できなかったりするおそれがあります。
ただ、日中は通勤や買い物などで電気自動車を使わなければならない場合も、快適かつリーズナブルに活用することができます。仮に、太陽光発電システムで発電した電気で電気自動車を使うことができれば、その時点で電気自動車はとてもエコなソーラーカーへ大変身します。

2つ目のメリットとしては、電気を無駄なく使用することが挙げられます。

トライブリッドではないシステムだと、太陽光発電システムで発電した電気を電気自動車へ充電させるには以下の3工程が必要となり、それぞれに電気のロスが生じてしまいます。
・太陽光モジュールからパワーコンディショナーへ
・パワーコンディショナーから蓄電池へ
・蓄電池から電気自動車へ

トライブリッドは、太陽光発電システムにおけるパワーコンディショナー、蓄電池、そしてV2H充電スタンドなどのV2H機器を一つのシステムで連携させています。上記の電気ロスも避けることができ、電気を無駄なく使用できます。

3つ目のメリットは、家族が増えたり、電気自動車を購入したりといった、ライフスタイルの変化に対応できる点が挙げられます。太陽光モジュールや蓄電池を増設したり、電気自動車と家庭用の電源をつなぐためのV2Hスタンドの取り付けなどにも柔軟に対応できるトライブリッドシステムに関する製品が発売されています。

メリット4。災害被災時の停電への対応です。まずは蓄電池があれば貯めていた電気が使えます。また、トライブリッドであれば、家庭用蓄電池よりも大容量の電気自動車もあり、長い時間の停電にも対応することができます。停電したときも蓄電システムがあれば、蓄えておいた電気が使えます。

日産の電気自動車「リーフ」のCMで「リーフで貯めた電気で何日間暮らせるか?」という実験動画があります。容量62kWhのリーフで約4日間暮らせるという実験結果が出ていました。

しかも、さらにその先の奥の手があります。それでも電気を使い切ってしまったときはどうするか。そのときは太陽光発電システムの出番です。日中使う以上に発電できるのであれば、蓄電池に貯めて夜間使うことも可能です。

最後に

今回は、太陽光発電システム、蓄電池、そして電気自動車を組み合わせたシステムのご紹介をいたしました。今後も、既存のエネルギーに依存せず、より快適に、経済的にも節約できるシステムが開発・導入されていくことと思います。まずは、太陽光発電システムや、蓄電池の導入からでも、ご検討されてみてはいかがでしょうか。

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