太陽光発電システム施工事例のご紹介第2弾!②

皆さま、こんにちは。

ネミー太陽光ブログをお読みいただきまして、ありがとうございます。

今回は、前回に引き続き「太陽光発電システム施工事例のご紹介第2弾!②」と題してお送りします。

設置先は、かすみがうら市のお客様所有の土地です(あらかじめお客様に承諾をえております)

前回は、パワーコンディショナーを設置したところまでをお届けしました。今回はその続きです。

接地工事

接地工事とは
別名「アース工事」ともいいます。低圧(300V以下)の電気を使う配線につながれる機械器具に必要となります。電気を帯びた機械器具(金属製のもの)からの漏電を地中へ逃がすための方法です。設置用のビニール絶縁電線を地中深くに埋めます。

接地工事を行うことで、人や動物への漏電による感電を防ぐことができ、漏電による火災を回避することができます。また、機器の正常な動作環境の確保もその目的となります。

接地抵抗測定

接地抵抗測定とは
接地抵抗を測るとは、「大地の電気抵抗を測ること」です。大地に「接地極」というものを打ち込んで、そこから地上に接地線(アース線)を取り出すことで、設置工事は行われます。このとき、地上に取りだされた接地線から地中の接地極が撃ち込まれている地中の電気抵抗を接地抵抗といいます。それを測ることを接地抵抗測定といいます。

電気抵抗(電気伝導)率が低ければ低いほど電気は地中へ逃げるので、アースとしての役割を果たしやすくなります。逆に、電気抵抗率が高ければ高いほど、地中へ電気が逃げ切れず、機械器具は帯電したままになり、人や動物への感電、漏電による火災の危険性が高まってしまうのです。

建柱工事

建柱工事とは
電力会社からの電気を引き込むための建柱を設置する工事を建柱工事といいます。

ご覧のとおり、建柱は大きなものです。工事は「棒を立てる穴を掘って、棒を立てて、穴を埋める」という作業にすぎません。しかし、そのスケールは大きいのです。
そのため、建柱工事には専用の「穴堀建柱車(ポールセッター)」という工事車両を使うことが多いです。この工事車両は、電柱を吊り上げ、移動させるクレーン機能と、掘削するための大きなドリルを装備したものです。

交流集電箱の取り付け

交流集電箱とは
各太陽光モジュールで発電された電気は直流です。その直流電気がパワーコンディショナーを経ることにより交流へ変換されます。複数のパワーコンディショナーが設置される太陽光発電システムにおいては、すべてのパワーコンディショナから送られてきた複数の交流ケーブルが「集電箱」を経由し、さらに太いケーブルに1本化されます。

「交流集電箱」により1本のケーブルにまとめられた電気は、建柱に取り付けられる「メーター」へと送られます。そのため、交流集電箱は、建柱の側面にある電力メーターの下部に設置されることが一般的です。今回の事例も、建柱の下部に設置されています。

集電箱と接続箱の違い
同じような役割を持つものとして「接続箱」があります。集電箱と接続箱の使い分けは、その太陽光発電システムの規模の大小を考えると分かりやすくなります。


比較的小規模な太陽光発電システムについて考えてみます。接続箱は、1つの太陽光モジュールからの電気、もしくはいくつかの太陽光モジュールからの電気をまとめる役割を担います。まとめた電気は、パワーコンディショナーへ送られて、直流から交流へ変換されます。
大規模な太陽光発電システムにおいては、接続箱でまとめられた電気をさらにまとめる必要が出てきます。そのために、集電箱が必要となります。たくさんの電気を集電箱でまとめて、パワーコンディショナーへ送ります。

支線の取り付け

支線とは
電柱にかかる力のバランスをとるために取り付けられる、電柱から斜めに伸びる線を支線といいます。支線はすべての電柱に取り付けられるのではなく、電線がつながっている最後の電柱や、風が強いところに建っている電柱に取り付けています。

支線が必要になる理由を電柱にかかる力のバランスをとるためと書きました。具体的にいうと、電柱にかかっている電線は、電柱と電柱の間の重さで、1本あたりおよそ50kgほどです。強風で電線があおられた場合、数百kgの負荷がかかる可能性があります。
両方の電線で引っ張られている電柱であれば、両方から同じ力がかかっているから支線などは必要ありません。しかし、電線の末端にある電柱などの電線が一方にしかない電柱は、片方からのみ一方的に引っ張られることになります。したがって、バランスをとるために、支線などの支えが必要となります。

電力量計取り付け

電力量計とは
電力を積算し計量するもので、「電力メーター」または「メーター」といいます。住宅にも設置されている、内部に円盤が回っているのが電力量計です。電力の量が可視化されたり、取引の対象となる太陽光発電の領域では重要な役割を担っています。

組立マーキングチェック

ひととおり各設備が組みあがったら、仮組をしていた際にマーキングをしていた部分をチェックし、しっかり締めこみます。

連系確認(パワーコンディショナー・電量計動作確認)

連系とは
厳密にいうと「(系統)連系」といいます。電力会社の電力系統に太陽光発電設備を接続することをいいます。

電力会社の系統へ連系が完了し、パワーコンディショナーや電力量計などがきちんと作動し、適切に太陽光発電システムが動くことが確認できれば、設置工事は完了となります。

設置工事完了後の様子を最後にご覧いただきます。

2010年代に起こった、いわゆる「太陽光バブル」は、固定価格買取制度(FIT)の買取価格の下落により次第に収束・収縮傾向にありました。当初は、膨大な工事費をかけて、いわゆる「メガソーラー」といわれる大規模な太陽光発電システムを設置したとしても、国による買取の収入が上回れば「売電収入」というビジネスモデルが可能でした。しかし、国による買取価格が下がり売電収入に旨味がなくなってきたので、業界全体の勢いもいっときなくなってきました。

1kWあたりの固定買取価格でいうと、FIT制度がはじまった2012年は、10kW以上の規模の太陽光発電システムでは、40円+税でした。それが段々と下がってきて、2020年現在は50kW以上250kW未満の規模の太陽光発電システムでは12円+税となっています。

また、今回のようなきちんとした工事を行わない悪質な工事会社も出てきて、太陽光業界の信用も若干揺らいでいたような印象をお持ちの方も多かったのではないでしょうか。

そういった会社は次第に淘汰され、きちんと施工ができる会社が残りました。さらに、国の基本的な姿勢が再生可能エネルギーの活用に大きく舵を切ったこともあり、太陽光発電は再度注目を浴びつつあります。大規模なシステムを設置することで得られる売電収入を目的としたビジネスというよりも、小規模の、特に住宅をターゲットにしたシステムによる「地球に優しいエネルギーの活用」「災害時の救済策」という面が求められています。

太陽光はほぼ無限であること、日本は世界においても十分な日射量があること、国としてその導入を進めていることから、太陽光業界は、これからより成熟し発展していくでしょう。

また、蓄電池も併設することで、平常時に電気を蓄えておき、災害時にはその電気を使用するという活用方法もあります。また、太陽光発電システムで発電した電気を昼間のうちに蓄電池へためておき発電できない夜間に使用するというのも可能になります。また、「自家消費型」という名称で日本国内で推進されている、使うのに十分な量を太陽光発電システムで発電する”電気の自給自足”も可能になってきます。

こうした太陽光発電システムの工事から、より快適な生活のヒントになれば幸いです。

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