皆さま、こんにちは。
ネミー太陽光ブログをお読みいただきまして、ありがとうございます。
今回のテーマは、「2020年度調達価格決定」です。
2020年度調達価格が決まりました
太陽光発電業界にとって大事な「調達価格」が以下のとおり決定しました。
①10kW未満(住宅用) ・・・21円
②10kW以上~50kW未満(事業用)・・・13円
③50kW以上250kW未満・・・12円
経済産業省:「令和2年度(2020年度)の調達価格及び調達期間についての委員長案」より)
軒並み引き下げられていますが、この流れは想定の範囲内ですね。それぞれについて、すこし詳しくご説明します。
①10kW未満(住宅用)
もともと住宅用太陽光発電システムには、「出力制御」がかかっている地域とそうでない地域がありました。
出力制御とは、簡単に言うと「電力会社が、場合に応じて、発電事業者に対して発電量を控えるよう要請すること」です。
2019年度までは、調達価格は以下のとおり設定されていました。
出力制御対応機器の設置義務のない地域では、24円
出力制御対応機器の設置義務のない地域では、26円
これが、2020年度からは全国一律21円となったのです。
②10kW以上~50kW未満(事業用)
一般に「事業用」と言われる10kW以上~50kW未満の太陽光発電システムは、調達価格の他にも大きな変更がありました。
(1)通常のタイプのものとソーラーシェアリングが分かれる
通常のタイプは、以下2つの地域活用要件を満たす必要があります。
余剰売電であること
災害時に活用できること
そのためには、どの程度自家消費するかをあらかじめ想定した自家消費計画を提出し、その認定を受けなければなりません。しかも、自家消費比率を30%以上にしないと、認定が取り消されて地域活用要件を満たさないとみなされてしまうのです。
さらに、自立運転機能付きのパワコンを使ってコンセントを設置し、災害時に実際に使えるようにしておく必要があります。
それに対して、営農型太陽光発電、いわゆるソーラーシェアリング型の太陽光発電システムは、自家消費用件を満たす必要がありません。したがって、売電に回せる電力は自家消費を超える余剰電力ではなく、全量を売電することが可能になります。
もともと国には農地を多く確保したいという意図があります。農作物の上に太陽光モジュールを設置するソーラーシェアリング型太陽光発電システムは、農地を確保しつつ再生可能エネルギー利用の推進もはかれるため、要件を緩くしているのでしょう。
このような2つの類型に分けた上で、調達価格が2019年度の14円から13円に引き下げられました。
③50kW以上250kW未満
50kW未満は、「低圧」と呼ばれます。50kW以上は「高圧」と呼ばれます。この発電区分は2020年度から新設されました。自家消費や余剰売電などの地域活用要件は適用されません。調達価格は2019年度の14円から12円に下がりますが、それ以外は今までのFIT制度がそのまま残ります。
今回導入されるかもしれないといわれていたFIP制度は見送られました。ただ、2020年度の期中に導入されないとは限りませんので、今後の展開を慎重に見守る必要はあると思われます。
以上、2020年度調達価格決定の速報をお伝えしました。