皆さま、こんにちは。
ネミー太陽光ブログをお読みいただきまして、ありがとうございます。
今回も、調達価格に関連した話題をお届けします。
自家消費型太陽光発電システムの推進
国は、自家消費型太陽光発電を増やしたがっています。というのも、東日本大震災や台風被害などで電力供給の重要性を強く認識したからです。
再エネ主力電源化制度改革小委員会おけるFIT 制度の抜本見直しの検討では、地域活用電源について、電源の立地制約等の特性に応じ、レジリエンスの強化やエネルギーの地産地消に資するよう、地域活用要件を設定する方向で議論が進められている。
例えば、電力会社からの供給が途絶えた場合であっても、自分たちで電力を作り出し、あるいはためていた電力を使うことができれば、その間は電力を使った生活をすることができます。
レジリエンスとは、「弾力。復元力。また、病気などからの回復力。強靱さ。(コトバンクより)」という意味です。自らリカバリーする術を持つという強さを持つという意味で、自家消費型太陽光発電は重要なものなのです。
自家消費型太陽光発電システム推進への問題
小規模事業用太陽光発電(低圧(10-50kW))について、以下の問題が指摘されています。
- 大規模設備を意図的に小さく分割することによる安全規制の適用逃れ
- 系統運用における優遇の悪用
具体的には、「低圧設備は開始する手間暇が比較的少なく、本来高圧として設置すべき規模の設備を分割して設置すること」があげられます。この問題は、「低圧敷地分割の禁止」として平成26年から認可されなくなっています。
「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則」という経済産業省令により、平成26年から低圧太陽光発電設備(10kW以上50kW未満)を設置するとき、隣接地等で同一名義の設備設置者が申請しても認可されなくなりました。
(当ブログ「太陽光発電システムを設置できる土地、できない土地」より)
また、標識や柵の設置義務違反として多くの小規模事業用太陽光発電システム案件が指導を受けていること、小規模事業用太陽光発電のうち、件数ベースで約8割が過積載を行っていることも、問題として指摘されています。
このことから、太陽光発電の地域における信頼が揺らぎつつあると、当委員会では見ています。
次回は、これらの問題がありつつ、どのようにして国は自家発電型太陽光発電システムを普及させていこうと考えているのかをお伝えします。