皆さま、こんにちは。
夏場は、太陽光発電にとっては書き入れどきです。そして、太陽光発電システムと共に利用すると効果的なのが、「HEMS(ヘムス)」というシステムです。
ヘムスという言葉はどこかで聞いたことあるかもしれませんが、あまり詳しくは知らない人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、言葉は知っていても詳しくは知らないHEMSについてご説明します。
HEMSとは
HEMSとは「Home Energy Management System」の略で、エアコンや照明、家電などを有線や無線でつなぎ、使用している電力をモニターなどで「見える化」するシステムのことをいいます。
政府は、2030年までに、なんと「すべて」の住宅にHEMSを設置することを目指しています(※)。「バス無しトイレ無しヘムス付き」という部屋が2030年にはあり得るわけです。
※平成24年「グリーン政策大綱」(内閣官房 国家戦略室)より
例えば、ご自身の支出や収入については、家計簿をつけてその金額を把握し、その節約に励むことと思います。エネルギーについても、同じくエネルギーの使用状況を見える化して、電気設備を一元管理してコントロールしやすくして節約ができるように、との考えがHEMSにはあります。
操作が便利になり、しかも節約できる。良いところばかりなのにHEMSはあまり知られていないのです。ためしに「HEMS」でGoogle検索をしてみたところ、こんな結果になりました。
「HEMS(ヘムス)とは」という題名のページが上位に並んでいるのがお分かりでしょうか。
よく見られているページが上位に表示されるのがGoogle検索なので、ほとんどの人が「HEMSってなんだろう?」と思っているのでしょう。
HEMSのメリット
国を挙げての頑張りもむなしく、世間にはあまり知られていないHEMSですが、知ってみるとおトクなものであることがわかります。
おトクその① 「見える化」で節電効果が期待できる。
ご自身の住宅にHEMSを導入すると、節電効果が期待できます。以前、レコーディングダイエットというダイエット法が話題になったことがありました。サブカルチャー評論家の岡田斗司夫さんが、著書『いつまでもデブと思うなよ』で考案したダイエットです。
毎回の食事の中で、どれだけのエネルギーの物を食べたかを記録(レコーディング)するというものです。記録された情報を毎日見続けると、無意識に食べていた間食などの無駄な食事が分かり、太りやすい食生活を避けるようになるという効果があります。
同じことを、ご自宅で使っている電力でも実現しようというのが、HEMS導入による節電効果です。使用電力の「見える化」によって、家で使っている電力がリアルタイムで見えるようになれば、無駄な照明を落としたり、電気を使い過ぎないよう気を付けたりしたくなりませんか。
おトクその② 「一元管理」でご家庭の自動制御や遠隔操作が可能になる
HEMSは、使用しているエネルギーを「見える化」して把握できるだけでなく、消費者自らが管理することも可能になります。ご家庭にある電気機器をネットワーク化することで、タブレット端末やPCからの遠隔操作・自動制御が可能になります。
おトクその③ 太陽光発電など発電して収益をしやすくなる
さらにHEMSは「節約」だけでなく「貯める」こともやりやすくなります。太陽光発電システムや蓄電池はHEMSとつなげられますが、それらを設置すれば、電気を「増やし」「貯める」ことが可能になります。
HEMS導入のその先
上で挙げたHEMS導入メリット、実はゴールではありません。
国が目指すゴールは、「ZEH(ゼッチ)」です。ご家庭で消費するエネルギーと太陽光発電等で発電したエネルギーとが相殺されてエネルギー消費量が0になる「Net Zero Energy House(ZEH)」を実現することが目標であり、そのためには電力の見える化と一元管理を行うことができるHEMSは不可欠です。
次回は、ZEHについてご説明します。