EV充電器拡充の背景を説明します!

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ネミー太陽光ブログをお読みいただきまして、ありがとうございます。

今回は、「EV充電器拡充の背景を説明します!」と題してお送りします。

そもそも「EV」とは

「EV」とはなんでしょうか。electric vehicleの略で、electric =電気、vehicle=乗り物のことです。電気で動く乗り物には例えば電車などがありますが、今「EV」といえば「電気自動車」のことを指します。国産の電気自動車としては、三菱、日産、トヨタ、ホンダの各社が発売しています。

今や世界では、EVを推進する動きになっています。非常に特徴的なのは、アメリカのカリフォルニア州で行われている「ZEV」規制です。ZEVとは、「Zero Emission Vehicle」の略で、排出ガスをまったく出さない自動車のことをいいます。

ZEV規制とは

ZEV規制とは、アメリカのカリフォルニア州の制度です。カリフォルニア州の中で一定台数以上の自動車を販売するメーカーに対する規制で、、ZEVを一定比率以上販売することを義務付ける制度です。規制開始当初は、比率は10%でしたが、年を経るごとに比率は上がっていき、2018年には16%となっています。つまり、カリフォルニア州で1ヶ月に10万台販売するメーカーは、ZEVを1万4,000台売らないといけません。それができなければ、罰金が課されます。

もともとアメリカでは、他の諸国に比べれば比較的ゆるやかな規制を採用しています。しかし、カリフォルニア州のZEV規制はとりわけ厳しい規制といえます。世界でも類を見ないといって良いでしょう。

なぜ、カリフォルニア州だけなのか。それは、まず大気汚染の状況が理由の1つに上げられます。カリフォルニア州はアメリカ内でも自動車の利用率は高いのです。したがって、排気ガスに含まれる二酸化炭素の量も多く、カルフォルニア州の大気汚染は深刻なものとなっています。その状況の対策として、カリフォルニア州は、州独自の規制を敷こうということになりました。

なお、ZEV規制は1990年代に開始し、何度か改正されています。そして、このカリフォルニア州のZEV規制の方向性は世界に広がりを見せています。ガソリン車をメインとしてビジネスを展開してきた自動車メーカーにとっては苦戦を強いられる状況ではありましょう。

特に、2018年からはCO2排出量が少ない「ハイブリッドカー」等に規制がかかるようになり、新技術のエコカーとしては認められなくなったことは大きかったことでしょう。ハイブリッドカーは、日本では現在も人気です。トヨタの「プリウス」などは、いまだに大きなシェアを誇っています。しかし、2018年のこの事態で、規制の対象となった自動車メーカー各社は、規制されないEVを新製品として投入する必要に迫られています。特に「プリウス」などを発売するトヨタについては、これまでハイブリッドカーの販売によってZEV規制に対応してきましたが、そのハイブリッドカーが対象から除外されるわけです。

ZEV規制の特徴「クレジット」

ZEV規制には、「クレジット」という制度があります。販売したZEVの台数が一定の割合を上回った場合に、この「クレジット」が付与されるというものです。つまり、二酸化炭素削減量に応じてボーナスのようなものが国から与えられる、とお考えください。逆に、販売したZEVの台数が一定の割合を下回った場合は罰金を払わなければいけません。または、すでにクレジットをたくさん有している他の企業からクレジットを購入する必要があります。この部分は、二酸化炭素の排出量取引と似た部分があります。

つまり、クレジットは売買の対象となるということです。そこで利益を上げている会社も存在します。EVを製造しているアメリカのテスラモーターズは、このクレジット売買制度を使って、2013年上半期だけで約140億円ものクレジット売却利益を上げていると公表しました。もともとガソリンを使った車やハイブリッドカーなども販売せず、一貫してEVを販売しているテスラモーターズは、ふんだんにクレジットがあります。例えば、そのクレジットを罰金よりも安い価格で販売するようにすれば、買い取る方は罰金よりも安く済み、クレジットを売却する方は利益を上げることができる。そんなビジネスモデルが可能になります。

しかし、テスラモーターズのCEOであるイーロン・マスクは、このクレジット売買を利益を上げるための手段とは考えていないようです。むしろ、クレジット売買という制度があるせいで、「EVを作らなくても、その分ガソリン車やハイブリッドカーを売ってクレジット購入費に充てればいい」と考える企業が出てきてしまうと危惧しています。イーロン・マスクのこの姿勢の影響か、カリフォルニア州もXEV規制の修正をし、年々ZEV販売比率を上げてきています。

そして、2020年秋に、カリフォルニア州知事から驚くべき発表がなされました。その内容は、なんと2035年までに新車のガソリン車販売を禁止するというものだったのです。

この規制により、いよいよガソリン車やハイブリッドカーなどが淘汰されつつある展開になってきました。そして、それぞれの自動車メーカーにおいて、新しい形の自動車、つまりZEVの開発競争が激しくなり、大きな流れとして環境に優しい方向へむかうことになります。変革には痛みが伴うという言葉がありますが、まさに各自動車メーカーは痛みを負いながら、これからどうすべきかを考えていることでしょう。

日本としても、自動車の販売・輸出は貿易黒字の大きな柱であったはずで、それでもZEV普及へ舵を切っています。その一端として、EV充電器、EV充電スポットの拡充があります。

日本におけるEVの拡充には、EV充電器!

日本でも、菅政権による「カーボンニュートラル宣言」により、二酸化炭素排出に対する規制・対策は大事なものとなっています。二酸化炭素を排出しないEVを普及させるためには、EV充電器を各所に設置し、ガソリン車にとってのガソリンスタンドのように、充電ができるようにしておく必要があります。

EVは自宅の電源からも充電できます。また、外出先で充電をしたくなったときには、公共のEV充電用スポットを使う必要があります。公共のEV充電スポットは、自宅での充電よりも急速に充電できることになっています。例えば、高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、コンビニ、カーディーラーなど充電してすぐに出発したい人が多そうな場所では急速充電の充電器が設置されています。その速さは自宅での充電の数十倍となります。

高速道路のサービスエリアなどで見かけるEV充電スポットは、パブリック充電と呼ばれます。インフラネットワークサービスが提供するICカードを操作パネルにタッチして利用します。このICカードは月額制となっており、事前の登録が必要ですが、いったん登録すると全国各地に設置されたEV充電スポットを簡単に利用できるようになります。

2020年3月末現在、日本におけるEV充電スポットは、18,270か所(ゼンリン調べ)。ガソリンスタンドの約6割にものぼり、きたるカーボンニュートラル時代の準備が着々と進んでいます。

再生可能エネルギー推進の基本理念は、2015年に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」がベースになっています。そしてそれは、二酸化炭素の排出量を減らすという具体的な目標まで落とし込まれています。これからの生活モデルの1つとして、自宅で充電したEVを運転するという光景が、これからは当たり前になっていくのではないでしょうか。

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