パワコンの大敵「発熱」!その対策とは?

皆さま、こんにちは。

ネミー太陽光ブログをお読みいただきまして、ありがとうございます。

今回は、「パワコンの大敵『発熱』!その対策とは?」と題してお送りします。

この時期、よくいただくお問合せ

この時期によくいただくお問合せとしては、「パワーコンディショナーの動作に不具合が生じた」というものが多いのです。太陽光発電システムの中では群を抜いた「精密機器」であるため、その内部で故障が起きていることももちろんあります。ただ、夏場でよくある不具合が、外気温の高さによるものです。

実際当社で受けた問合せですが、日中はパワーコンディショナーの不具合を示すエラー表示があるものの、気温の下がる朝晩はエラー表示は消えているのです。また、扇風機を当てたらエラー表示が消えたと電話越しに中継をしていただいたこともあります。屋内や屋外かかわらず、熱がこもりやすい場所にパワーコンディショナーを設置するとエラーが発生してしまうようです。

それでも、メーカーは精一杯対策をしています!

「パワーコンディショナーは精密機器だから、熱に弱いのは当然ですよね」と言われてもしかたないのですが、それでもパワーコンディショナーメーカーは、少しでも熱に強い構造にするために努力を重ねています。

パワーコンディショナーの送電の仕組みを説明します。太陽光モジュールで太陽光を受けて発電した電気は直流です。パワーコンディショナーは直流の電気を家庭内などで使える交流に変換して流す役割を担っています。この変換部分の仕組みは大変ち密に作られており、直流を交流に変換する処理で発熱をします。太陽光モジュールから入ってくる直流の電気の度合いが大きいほど、発熱の度合いは大きくなります。

そこで、変換部分で発生する熱をどう逃がすかが、パワーコンディショナーの性能を長期間発揮し続けるためには重要になります。逆に、熱をうまく逃がせずパワーコンディショナーの温度が上がった場合、安全のため運転が止まる仕様の製品が多いのです。

パワーコンディショナー内が過剰に発熱したときの安全機能の働き方は、機種により違いがあります。運転を「停止」するものと、運転を「抑制」するものとに分かれます。抑制タイプについては、温度が一定以上まで上昇すると、運転を減らし、一部だけを運転させる状態に切り替わります。これにより、変換部分の発熱するレベルが下がります。そうしてパワーコンディショナー内の温度が下がると、またフルフルで運転を再開するのです。

こうした機能は、パワーコンディショナーを長く安全に使えるように、という製造メーカーの工夫の賜物です。しかし、「停止」でも「抑制」でも、完全な運転をしていないわけで、その間は発電のロスにつながってしまうのです。

さらなる工夫「冷却機能」

そこで、温度の上昇したときの対処療法だけではなく、そもそもパワーコンディショナー内の温度が高くならないようにするための「冷却機能」をパワーコンディショナーは備えています。その機能は、大きさにより違います。

小型のパワーコンディショナーの場合、主に自然風による冷却を目的として通気口を設けています。または、通気口とあわせてファンを使い、パワーコンディショナー内にたまる熱を外に逃がし、外の空気を取り入れるというシステムのパワーコンディショナーもあります。

大型のパワーコンディショナー、例えば「メガソーラー」と言われる、出力が1MW(1000kW)を超える大規模な太陽光発電システムに使われるパワーコンディショナーについては、通気口やファンだけではないことが多いです。メガソーラーのような太陽光発電システムはほぼ例外なく屋外に設置されます。パワーコンディショナーも、屋外に設置された大きな箱(筐体:きょうたい)に収められることがほとんどです。その筐体内に空調機を置いてパワーコンディショナーの温度が上がるのを防ぐという冷却機能を備えています。

ここまで読むと、「ここまで配慮していれば冷却機能は万全ですね!」とお思いかもしれません。しかしここで1つ大きな落とし穴があります。それは、パワーコンディショナーの通気口のフィルターです。外気からチリやホコリが内部に入らないようにしてくれています。このフィルター、目が粗ければチリやホコリは素通りしてしまいますが、逆に目が細かすぎても、目詰まりを起こしてしまいます。目詰まりが起こると、当然ながらパワーコンディショナー外へ熱を逃がすことができなくなります。

パワーコンディショナーの冷却機能にはフィルターの目詰まりという課題があり、それはパワーコンディショナー自体の性能低下を引き起こしかねないのです。

フィルターの清掃、していますか?

例えば、ご家庭にあるエアコンのフィルターをメーカーの指示通りにキッチリ取り換えている方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。もちろん、こまめにフィルターを取り換えている方もいらっしゃるかと思います。ただ、パワーコンディショナーの手入れとしてフィルターの清掃を定期的にしている、という太陽光発電システムのオーナー様は、なかなかいないのではないでしょうか。

多くのパワーコンディショナーのメーカーでは、少なくとも1年に1回、できれば半年ごとに1回はフィルターの清掃をするよう説明書に記載していることが一般的です。しかし、個人で稼働させている太陽光発電システムでは、設置したらそのまま、トラブルが起こったら対応、という状態のことが多いといいます。

ずっとフィルターを清掃せずにしておくと、フィルターの目詰まりがひどくなってくるのは想像に難くないと思います。ファン付きのパワーコンディショナーでこの状態になると、ファンは回っていても通気口から外側へ熱が出てこないということになりかねません。一般的に、3年以上清掃をしないと、換気機能はほぼなくなってしまうとされています。

フィルター自体は、できれば水洗いが理想ですが、ハケでチリやホコリを除去するか、エアブローで空気を吹き付けて汚れを落とすだけでも十分です。これだけで、かなりパワーコンディショナーの寿命を延ばすことができます。

フィルターの掃除がしづらいパワーコンディショナーも?

「では、フィルターの掃除を!」とお思いになった方、もしかしたらお持ちのパワーコンディショナーがそもそもフィルターの掃除がしづらいかもしれません。外側からフィルター部分がねじ止めされているのであれば簡単に取り外してフィルターを掃除することができます。しかし、内側からフィルター部分がねじ止めされている機種もあります。その場合は、パワーコンディショナーをある程度分解しないとフィルターの掃除ができません。太陽光発電システムを個人で設置・利用されている方は、正直いって難しいのではないでしょうか。

ゲリラ豪雨、台風の頻発する時期は特にチリやホコリが舞いやすく、フィルターの手入れが重要になってきます。しかし、個人の方も含めて、発電事業者の多くはこうした保守に関しては手薄になっていることが多いように見受けられます。

そこで、太陽光発電システムの適切な保守・運用作業をプロに任せてみるのも良いのではないでしょうか。

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