太陽光を導入すればグリーンライフ・ポイントがもらえる? グリーンライフ・ポイントについて詳しく解説してみた!

世界では深刻な環境問題に悩まされています。私達が使い捨てしているプラスチック製のスプーンやストロー、ペットボトルが環境汚染に繋がります。最近では、レジ袋の有料化やスターバックスがストローを紙製のものに変えるなど、一人ひとりが環境に配慮した行動をとることでライフスタイルの転換を促し、環境問題を全員で解決していこうとしています。
環境省はプラスチック製スプーンを受け取らない、または残った食べ物を持ち帰りした際にポイントを受け取ることができる「グリーンライフ・ポイント」の導入を決定しました。今回は太陽光とグリーンライフ・ポイントについて解説します。

グリーンライフ・ポイントとは

グリーンライフ・ポイントとは、環境に配慮した日常の行動がポイントとして還元される仕組みの事です。つまり、国民が手軽に環境問題に取り組めるよう、動機付けを与えた仕組みとなっています。
環境省は2021年8月31日、2022年度の概算要求を発表し、節電や再エネ電気、省エネ機器への切り替えなどに使える新たなグリーンライフ・ポイント事業を設け、10億円を計上しました。環境省がグリーンライフ・ポイントの目的として掲げているのは以下の通りです。

・グリーンライフ・ポイントによる持続的推進を通じて、国民が地域や社会の環境問題を自分の事であると身近に感じてもらう
・国民一人ひとりが環境配慮行動を継続的に実践するとともに、地域の環境問題の解決と成長を実現する(消費者の購買行動を脱炭素型に促す)

グリーンライフ・ポイントを貯める一番のメリットは、環境に配慮した行動を取ることでポイントを貯めることができ、なおかつ気軽に社会貢献できるということです。

グリーンライフ・ポイントは2022年4月から導入されます。コンビニやスーパー、大手通販サイト、家電量販店、自治体が展開している既存のポイントサービスに上乗せする形で発行し、それぞれの店の買い物で使えるようにします。

ポイント上乗せ分の費用は国からの補助対象とする方向で、上乗せ率は全事業者一律ではなく、各事業者の判断ですので、グリーンライフ・ポイントを取り入れる企業は今後増加していくのではないでしょうか。

現在、グリーンライフ・ポイントに向けて以下のようなプロジェクトが始まろうとしています。

セブンイレブン 消費期限間近の商品を「nanaco」で購入すると5%割引
スターバックス 消費期限間近の商品を閉店のおよそ3時間前から20%値引き
ファミリーマート 消費期限の近い商品を値下げする「エコ割」

グリーンライフ・ポイントを導入する目的

グリーンライフ・ポイントを導入する目的は以下の通りです。

食品ロスの削減

1つ目は「食品ロスの削減」です。

日本では、衛生面を考慮して食べ残しや賞味期限切れを持ち帰ることができず、食品が大量に廃棄されています。食品を取り扱う工場だけでなく、一般家庭や小規模な飲食店も大量廃棄しているのが現状です。
食品を廃棄する際に生じる二酸化炭素や焼却後の灰の埋め立ては、大きな環境負荷となります。日本の温室効果ガスの排出源の内訳を消費ベースで見ると、家計関連が全体の60%を占めており、「食」に関する割合は12%と割合が非常に高いといえるでしょう。
グリーンライフ・ポイントを導入すれば、消費者が賞味期限の迫った食品を買う、または食べ残しを持ち帰ることができるため、食品廃棄を減らすことができ、最終的に温室効果ガス削減へと繋げることができます。

環境に配慮した選択肢を選ぶように促す

2つ目は「環境に配慮した選択肢を選ぶように促す」ことです。

環境問題を身近なものとして自分ができることをしようと思っても、実際に何をしたらいいのか分からない人は多いでしょう。
グリーンライフ・ポイントを導入すればできることは以下の通りです。

・消費者:積極的に環境に配慮した商品やサービスを選択することで環境問題の改善に繋がる
・企業:大量廃棄を消費者の行動によって削減できれば、食品ロスだけでなく衣服ロスも削減できる

「衣服ロス」とは、新品、またはまだ着ることができるのに捨てられてしまう衣服のことを指します。
2020年の衣服の年間供給量は81万トンで、家庭や事業所から手放される衣服は78万トンと推計されました。その内、手放される衣服の65%に当たる51万トンが廃棄されました。
衣服ロスは、家庭から不要になった服が廃棄物として排出されるだけではなく、企業からも排出されます。2020年は新型コロナウイルス感染症の外出自粛等の影響により、食品ロスと同じく衣服ロスも大量に発生したと予測されています。

消費者と企業がより環境に配慮した選択肢を選び、協力し合うことで持続可能な社会を実現することができます。

グリーンライフ・ポイントの対象

グリーンライフ・ポイントの活用は環境だけでなく、消費者や生産者にもメリットがあります。
グリーンライフ・ポイントの対象となる分野は以下の通りです。

1つ目は「食」です。

食に関して私達ができる具体例は以下の通りです。

・賞味期限や消費期限間近の食品を購入する
・食べ残しを持ち帰りする
・ビーガン向け食品の購入
・地産地消の食材利用

地産地消とは、その土地で生産された食材を、その土地で消費することです。地産地消のメリットは以下の通りです。

輸入や輸送のエネルギー削減

地産地消のメリットの1つ目は「輸入や輸送のエネルギー削減」です。

日本は輸入に依存している国であり、世界第一位の農産物純輸入国でもあります。
地産地消はより近くで生産された食材を選ぶため、輸入や輸送のエネルギー削減が可能です。そのため、二酸化炭素排出削減に貢献できます。

健康面で安心できる

地産地消のメリットの2つ目は「健康面で安心できる」ことです。

地産地消の食材は無農薬・無化学肥料で育てられていますので、新鮮であり、健康面において安心することができます。

消費者と生産者が繋がる

地産地消のメリットの3つ目は「消費者と生産者が繋がる」ことです。

地産地消は食材の品質や栽培方法にこだわっており、手間暇がかかります。消費者が地産地消で作られた食材を購入することで、生産者は農業を続けていくことができます。このように、消費者と生産者の繋がりによって農業が活性化していくでしょう。

衣類

2つ目は「衣類」です。

衣類に関して私達ができる具体例は以下の通りです。

・服の再利用や服のレンタルサービスなど利用する
・再利用可能なサスティナブルブランドや古着を着る
・定額料金を支払いするサブスクを利用して服を着る
・廃棄を出さないことを見越して衣服を購入する

循環

3つ目は「循環」です。

循環に関して私達ができる具体例は以下の通りです。

・コンビニやカフェで無料提供されるプラスチック製スプーンなど、プラスチックを受け取らない
・簡易包装商品の選択(お中元、お歳暮など)
・リデュース、リサイクル、リユース可能なパッケージを選択

プラスチックを受け取らない行為は、海洋プラスチック問題や温室効果ガス削減に貢献します。
環境省と経済産業省は「プラスチック資源循環促進法」に基づき、12種類のプラスチック製品の利用を削減する方針を固めました。グリーンライフ・ポイントと同じく2022年4月から開始する予定です。

コンビニやカフェなど フォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストロー
ホテルや旅館など ヘアブラシ、くし、剃刀、シャワーキャップ、歯ブラシ
クリーニング店など ハンガー、衣類用のカバー

住まい

4つ目は「住まい」です。

住まいに関して私達ができる具体例は以下の通りです。

・再生可能エネルギーへの切り替え
・高性能省エネ機器への買い替え
・環境に配慮した機器への買い替え

日本はエネルギー消費国ですが、エネルギー自給率は低いです。そのため、多くのエネルギーを海外から輸入しています。
再生可能エネルギーへ切り替えれば、資源が枯渇することなく自国でエネルギーを生み出すことができます。
再生可能エネルギーには、太陽光発電や風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電などあります。

再生可能エネルギーの導入などに積極的に取り組む自治体の支援強化に向け、事業費の最大75%を補助する「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」を新たに創設し、200億円を盛り込むなど、2030年温室効果ガス46%削減の実現を目指しています。
2022年度は20〜40自治体を支援する予定で、2030年度まで継続的に交付金を予算化するようです。

また、民間企業の再エネ事業に出資する官製ファンドも創設します。
200億円の財政投融資を盛り込み、太陽光発電などを導入する民間企業を継続的に支援し、民間資金を脱炭素分野に呼び込むのが狙いです。200億円の公的資金を呼び水に、民間投資や銀行融資と合わせて1,000億円規模の脱炭素事業を実現させるとともに、数兆円規模の投資を誘発したい方針です。

さらに、初期費用ゼロで太陽光発電を導入できるPPA(電力購入契約)の加速に向け、2020年度当初予算比2.3倍となる165億円を求めています。環境省ではPPAに加え、再エネの最大限の普及に向けて、新たに洋上風力に5億円、地熱発電3億円、潮流発電の実用化にはじめて7億円を盛り込みました。再エネ由来の水素活用の推進には、前年度比17%増となる77億円を投じる予定です。

くわえて、余った再エネを有効に活用するため、EV(電気自動車)と再エネの同時導入を促す事業を新たに設け、10億円を計上しています。

移動

5つ目は「移動」です。

移動に関して私達ができる具体例は以下の通りです。

・カーシェアの利用
・シェアサイクルの利用
・環境に配慮した機器への買い替え

カーシェア、シェアサイクルとは、車や自転車などを他人と共有して使用することです。
カーシェアやシェアサイクルが普及することにより、今まで以上に交流する機会が増え、地域の活性化や二酸化炭素の排出を防ぐことができるでしょう。

まとめ

太陽光とグリーンライフ・ポイントについて解説してきました。以下、まとめになります。

・グリーンライフ・ポイントとは、環境に配慮した日常の行動がポイントとして還元される仕組みのこと
・グリーンライフ・ポイント導入の目的は、消費者の購買行動を脱炭素型に促し、身近な行動一つひとつによって地球環境へ貢献させること
・太陽光発電などの再生可能エネルギー機器を使うことによって、ポイントを貯めつつ、地球温暖化へ貢献することができる

グリーンライフ・ポイントを導入する事で、プラスチック廃棄などによる環境汚染を身近に感じ、一人一人できることから始めることで、環境問題へ貢献することができます。
また、グリーンライフ・ポイントを利用する人が増えると、太陽光発電の普及率も上がるかもしれません。まずは自分のしていることは環境に良い事なのか考えることからはじめ、徐々にライフスタイルを変えていくのがいいでしょう。

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