皆さま、こんにちは。
ネミー太陽光ブログをお読みいただきまして、ありがとうございます。
今回は、FIT(固定価格買取制度)に代わる新制度、FIP
についてお伝えします。
まずは、FIPとは何か、そしてFIPが検討されるようになった経緯をお伝えします。
FIPとは何か
FIP(フィップ)とは「Feed-in Premium」の略称です。再生可能エネルギーの発電事業者が市場価格で電力を販売する場合に、市場価格に「割増金(プレミアム)」を上乗せする方式です。
FITと比較して理解してみましょう。
FITは、発電事業者があらかじめ決められた価格で電力を販売する制度です。発電をしたら電力会社が買い取ってくれるので、売電による収益目的で太陽光発電システムを設置した方も多くいらっしゃいました。赤字の箇所がFITとFIPとの違いです。発電事業者(太陽光発電システムを設置された方)が発電した電力を買い取ってもらう点では同様です。
FIPは、現段階(2020年1月)では、あくまで導入予定の制度とされています。ドイツ等ではすでにFIPは運用を開始していますが、日本で実際に運用を開始したら、「どこがどのように買い取るのか」「割増金(プレミアム)はどう価格設定すれば良いのか」など、検討すべき事項がまだまだあります。
ただし、現在は、特に太陽光発電については、諸々の問題をクリアしてFIPを導入しようという流れになっています。
FIP検討がされるようになった経緯
もともと、FITにより売電収入を得る目的で太陽光発電システムを設置した発電事業者様にとっては、FITの買取価格が下がってきていたことにより、徐々に不安が募ってきていました。
10kWh以上の、いわゆる産業用太陽光発電システムを持つ事業者様に対する1kWhあたりの買取価格は、2012年度には40円でしたが、2019年度には14円まで下がってしまいました(経済産業省資源エネルギー庁「過去の買取価格・期間等」より)
さらに、将来的にはもっと下がるとされています。経済産業省資源エネルギー庁が2019年6月に開催した小委員会では、2025年の買取価格目標は、現在の半分の7円とされています。
第15回 総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会/電力・ガス事業分科会 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会/ヒアリング参考資料(制度の観点からの検討)より抜粋
この推移は、適正価格のレベルが下がりつつあるというよりは、当初過剰に高い買取価格を設定していたと考えて良いでしょう。しかし、2012年当時の太陽光発電業界は今ほど成熟しておらず、そもそも適正価格というものがはっきりしていなかったのです。そういったこともあり、高い価格で買い取りを余儀なくされた電力会社には大きな費用負担がのしかかりました。
また、ほぼ無限ともいえる太陽光から収益を得られるというコストパフォーマンスの良さから太陽光発電システムを設置する事業者様が殺到し、接続できる容量の限界に達した等の理由で電力会社が発電申請の認定を一部拒否するなどの事態が発生しました。
この事態を重く見た国が、FITに代わる太陽光発電による収益化の手段としてFIPの検討を始めたというのが、今までの経緯です。
FIPについては、次回以降に続きます。