太陽光発電をうまく運用するためには「発電モニター」を使って発電量や売電量を定期的に確認する事が欠かせません。最近では、太陽光発電システムと連携させたスマートフォンアプリを活用して、もっと手軽に発電量や売電収入を確認する事もできます。太陽光発電サポートアプリは、発電量、売電量だけでなく、家庭内の電気消費量を確認できるものもあり、節電対策も行う事が可能となるのです。
太陽光アプリの機能や種類はどういったものがあるのでしょうか。今回は使いこなせばとても便利な太陽光発電アプリを紹介していきたいと思います。
太陽光発電アプリの機能
太陽光発電アプリのとても良いところはいつでもどこでも確認可能な所でしょう。太陽光発電アプリの代表的な機能は3つです。
①発電量、売電量がわかる
②毎月の売電収入を管理できる
③自宅の電気消費量がわかる
発電量、売電量がわかる
太陽光発電アプリを使えば、太陽光発電がどれだけ発電・売電できているのかを確認する事が可能です。
太陽光発電の発電量や売電量は、専用の発電モニターで確認できますが、モニターは家の中でしか確認することができません。しかし、太陽光発電アプリはスマートフォンさえあればいつでもどこでも確認することができます。そのため、太陽光発電状況を頻繁に確認したいが家にあまりいない方にとって、太陽光発電アプリはとてもオススメと言えるでしょう。
毎月の売電収入を管理できる
太陽光発電アプリを使えば、月ごとの売電収入を比較し、売電収入の増減がすぐにわかるため、毎月の売電収入を管理することができます。
発電した電力から家庭内で使用した電気を引き、余剰電力を売電できるので、家庭内で使用する電力が少ないほど売電収入を増やすことが可能となります。そのため、毎月の売電収入額を管理する事で、節電意識を高める事にもつながるといえるでしょう。
また、毎日の電気使用量や売電量のデータを基に、月ごとの売電収入額予測を知ることが可能となります。あらかじめ電気使用量が増える月がわかれば、売電収入が減ることがわかり、電気の使い過ぎに注意して生活を送ることができます。
自宅の電気消費量がわかる
家庭内で消費されている電気量を確認する事を可能にしたエネルギー管理システムを「HEMS(Home Energy Management System)」と呼びます。
スマホからHEMSに接続すれば、家庭内の電気消費量がいつでも閲覧可能となり、一日にどの家電がどれほど電気を消費しているのかがわかるため、節電意識を高める事ができます。
太陽光発電サポートアプリ
太陽光発電をサポートするスマホアプリは、発電量や売電量がわかるものや太陽光発電運用に役立つ情報をくれるアプリもあります。たくさんある太陽光アプリの中からピックアップしてみました。
太陽光発電計算アプリ「毎日ECO」
太陽光発電計算アプリ「毎日ECO」はAndroid向けの太陽光発電サポートアプリです。手動で毎日発電量を入力し、売電状況や月間の予想売電金額を把握する事が可能です。
記録したデータはグラフとして図示することも可能であり、目標売電量も設定可能なので、売電金額増額のために節電をしようという意識向上にも役立つでしょう。
HEMSを導入せずに売電状況やデータを把握したいAndroidユーザーにオススメのアプリです。
GET売電
GET売電はiOS用有料太陽光発電アプリで、自宅に太陽光発電システムを導入した場合どのくらいの売電収入を得られるか、環境情報を具体的に入力してシミュレーションすることが可能です。概算ですが精度は高いため、太陽光発電の売電収入に興味のある方にオススメと言えるでしょう。
補助金サーチ for iPhone
補助金サーチ for iPhoneは、iOS用有料太陽光発電アプリで、スマートフォンのGPS機能を活用して、現在地の太陽光発電の補助金をボタン一つで検索することが可能です。国から支給される補助金制度が終了してしまった現在、各地方自治体から受けられる補助金の情報は非常に有益です。ぜひ効率よく補助金情報を手に入れましょう。
SUNNY PORTAL
SUNNY PORTALはSMA Solar Technology AGが開発した住宅・産業用太陽光発電システムを管理できるiOS用、Android用アプリです。実際に契約していなくても、デモアカウントでのテストが可能です。海外製のアプリですが、日本語にも対応しています。
売電量、買電量、自家消費率などが確認できるだけでなく、太陽光発電制御操作も実行する事ができます。パワーコンディショナと連動し30分毎にデータが更新されるので、発電効率の低下や故障に素早く気づくことが可能です。また、障害が発生した場合は自動でメール送信を行ってくれる機能もあり、太陽光発電をしっかりと管理したい方にオススメのアプリです。
ラプラス・システムのL・eye監視アプリ
ラプラス・システムのL・eye監視アプリは太陽光発電遠隔監視アプリです。
PC版の監視画面と同様、パワーコンディショナ(PCS)単位の発電状況や故障・異常検出や出力制御状況を遠隔で個別監視する事が可能ですので、トラブルの早期発見・原因特定をサポートし、発電損失を最小限に抑えることができます。スマホアプリなのでいつでもどこでもすぐに発電状況を把握し、売電収入の確保や資産価値の維持に役立てる事が可能です。
所有する発電所の状況を一覧で表示し、ソート機能で複数の発電所のステータスが一目で確認することができます。日別、月別、年別にグラフ表示もでき、1ヵ月間の出力制御スケジュールや予定制御率も表示できるので、各日の詳細スケジュールも確認する事ができます。
HEMSアプリ
HEMSは家庭内エネルギー使用量を視覚化させ、電気機器を使いすぎた場合、自動で制御してくれるなど、節電に役立つエネルギー管理システムです。日本政府はこのHEMSを2030年までに全ての家庭に搭載を目指し、普及させるため補助金を支給しています。
HEMSは各メーカーに対応したスマホアプリがリリースされています。
①京セラのハウスマイルナビィ
②パナソニックのスマートHEMSアプリ
③デンソーのHEMS Finder
京セラのハウスマイルナビィ
京セラのハウスマイルナビィは電力の使用料状況がわかるだけでなく、太陽光発電システムの売電量や蓄電システム状況を見る事も可能です。エネルギー別に使用料金を確認できるので、消費電力の多い家電をトップ5で把握する事が可能です。
また、「エネルギー家計簿」という機能が搭載されており、電気代や光熱費、売電金額の推移や過去のデータとの比較もできます。更に「エコチェック機能」も搭載されているので、太陽光発電の発電量が環境にどれだけ貢献しているかも確認可能です。
パナソニックのスマートHEMSアプリ
パナソニックのスマートHEMSアプリはエネファーム、太陽光発電、蓄電システム状態を外出先でも確認する事ができます。通知プッシュ機能があり、普段の電気使用量よりも使いすぎるとお知らせをしてくれるので、節電対策として非常に有用です。
また、ライフスタイル料金プランを診断する事もできるので、電気料金プランの見直しにも役立ちます。さらに、外出先からエアコンの電源をオンオフ、空気清浄機のスイッチをオンオフする事ができるので、電気代を無駄に消費するのを防ぎます。
デンソーのHEMS Finder
デンソーのHEMS Finderは、スマホやパソコンから家庭内のエネルギーデータを確認可能です。エアコンなどの家電機器を遠隔操作できるので、電気の無駄遣いを防ぐことができます。また、太陽光だけでなくガスや水道の使用料と料金も確認することができ、光熱費の節約にも繋がります。
「ファミリーノート」という機能が搭載されているので、家族内で暮らしの記録やエネルギーデータを気軽にシェアする事ができます。「災害伝言板機能」も搭載されており、投稿した内容は登録されたメールアドレスに送られるようになっているので、災害時に家族が離れ離れになってもスマホが使える限り連絡を取り合うことができ、防災対策にもなります。
太陽光発電所をスマホで購入できるCHANGE
太陽光サポートアプリとは少し異なりますが、スマホで簡単に太陽光発電所を購入できるアプリ「CHANGE」を紹介します。
CHANGEとは
CHANGEとは、自宅や土地に太陽光パネル設置場所がなくても、スマホアプリやPCからいつでも再生可能エネルギーを作り出す太陽光発電所を購入する事が可能なサービスです。
太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーを普及させることで、クリーンな電力によるエネルギー自給率向上を目指しています。
CHANGEの特徴
CHANGEの特徴は4つです。
①1つの発電設備をユーザーみんなで分けあう仕組みなので、1ワット(200円~300円)から欲しい分だけ買うことができるから参加しやすい
②20年間の発電期間中、監視や定期メンテナンスを行ってくれるから安心
③自分が買った太陽光発電所が毎日どれくらい電気を作っているのか確認できる
④CHANGEが所有している発電所で作った電気を電気会社に送電し、売電。売電量から管理費を引き、購入ワット数の割合に応じて毎月売電収入が分配され、その収入はアプリやサイトからいつでもお金に変える事ができる
売電収入が入るまでの流れ
売電収入が入るまでの流れは以下の通りになります。
①アカウント登録
②ワット購入
③発電所が発電、電力会社へ売電
④売電収入を分配、収入ゲット
売電収入として分配されたワットはワットプラスになります。ワットプラス自体も発電し、売電収入として新たなワットプラスを生みだします。そのため、CHANGEでは複利のような効果が期待可能です。売電収入を現金化したい場合は、ワットプラスを売却し、換金しましょう。
負担する側から受け取る側へ
再エネ賦課金とは、電気を使う全ての人に負担するものであり、負担額は電気の使用料に比例します。集められた再エネ賦課金は電気事業者が買い取り制度で電気を買い取るための費用となり、最終的に再生可能エネルギーで電気を作っている方に届きます。買い取られた再生可能エネルギーの電気は、電気の一部として供給されているので、電気料金の一部として再エネ賦課金を支払わなくてはいけない仕組みになっているのです。
一般家庭で再生可能エネルギー発電施設を所有する事は高額ですが、CHANGEを利用すれば少額から分譲型太陽光発電施設をワットに応じて購入できるため、再エネ賦課金を 「負担する側」から「受け取る側」へCHANGEする事が可能なのです。
まとめ
太陽光発電アプリについて紹介してきました。以下、まとめになります。
・太陽光発電アプリは外出先でも発電・売電状況を可視化する事ができる
・太陽光アプリとHEMSを同時利用すれば非常にわかりやすく電気を管理する事ができる
・太陽光アプリはサポートするだけでなく、太陽光発電を購入して再生可能エネルギーに貢献できるものもある
太陽光発電アプリにおいて重要なのは、いつでもどこでもこまめに発電、売電状況が確認できる事でしょう。数値として視覚化し、認識することで節電にもつなげる事ができ、システムの異常にも気づきやすくなります。
また、家庭内の電気使用量もコントロールする場合は、HEMS導入をオススメします。HEMSを導入すれば、アプリと連携して家電機器の使用状況を視覚化し、遠隔操作が可能となります。年間の電気使用量を減らしたい、売電収入を増やしたい方はぜひ太陽光アプリと一緒にHEMS導入を検討してみてはいかがでしょうか。